条件文の「と・ば・たら・なら」使い分け

日本語教師-ブログ

📚「仮定条件」においての「と・ば・たら・なら」

仮定条件とは、実際に起こるかどうかわからない条件のことを言います。


例えば、「1億円あったら、ゲームを買います」のような内容の文は、「実際には1億円はないけど、もしある場合は~」という意味の仮定条件の文になります。


仮定条件の場合は「と」を使って、表すことはできません。


×1億円あると、ゲームを買います。

1億円あれば、ゲームを買います。

1億円あったら、ゲームを買います。

1億円あるなら、ゲームを買います。 



📚「一般条件」においての「と・ば・たら・なら」

一般条件とは、必ず起こる条件のことを言います。


例えば、「春になると、桜が咲きます」のような内容の文は、「必ず春になり、そのときは~」という意味の一般条件の文になります。


一般条件の場合は「なら」を使って、表すことはできません。


春になると、桜が咲きます。

春になれば、桜が咲きます。

春になったら、桜が咲きます。

×春になるなら、桜が咲きます。


※自然現象や機械の操作に関しては「と」を使うことが多い。

例)日本は夏になると、台風がたくさん来ます。(自然現象)

  このボタンを押すと、水が出ます。(機械の操作)



📚文末の意志表現による制限

希望(~たい、~ようと思う)、誘い(~ましょう)、依頼(~てください)、命令(~しろ)、許可(~てもいいですか)などの表現を意志表現といい、これらの表現を使用する際も「と・ば・たら・なら」の使用制限があります。


文末に意志表現がある場合は、「と」「ば」を使って、表すことはできません。


×雪が降ると、雪だるまを作りたいです。

×雪が降れば、雪だるまを作りたいです。

雪が降ったら、雪だるまを作りたいです。

雪が降るなら、雪だるまを作りたいです。


※「ば」は「ある・いる」や形容詞の場合は使用可能

お金があれば、世界一周旅行をしたいです。

安ければ、買いたいです。



📚時間の前後関係による制限

時間の前後関係とは、「前文→後文」のように、「前文のことが終わった後に後文のことがある」という関係がある内容の文です。

「と」「ば」「たら」は、時間の前後関係が常にあり、「なら」は時間の前後関係が必要ありません。


×日本に行くと、飛行機が一番安い。

×日本に行けば、飛行機が一番安い。

×日本に行ったら、飛行機が一番安い。※「行くんだったら、~」は使用可能   

日本に行くなら、飛行機が一番安い。



📚相手の話を受けて、アドバイスを言う際の制限

以下の会話のように、相手の話を受けて、それに対してアドバイスを言う場合は「と・ば・たら・なら」の使用に制限があり、「と」「ば」は使えません。


Aさん:今度、日本に行くんだ。

Bさん:

×日本に行くと、寿司を食べたほうがいいよ。

×日本に行けば、寿司を食べたほうがいいよ。

日本に行くんだったら、寿司を食べたほうがいいよ。

日本に行くなら、寿司を食べたほうがいいよ。



✍練習

※複数の正解があります

  1. 日本では春に(なると・なれば・なったら・なるなら)桜が咲きます。
  2. 時間が(あると・あれば・あったら・あるなら)映画を見に行きましょう。
  3. 明日、天気が(いいと・よければ・よかったら・いいなら)ピクニックしましょう。
  4. 12月に日本へ(行くと・行けば・行ったら・行くんだったら・行くなら)ダウンジャケットを持って行ったほうがいいですよ。
  5. ボタンを(押すと・押せば・押したら・押すなら)水が出ます。


↓↓答え



  1. 〇なると〇なれば〇なったら×なるなら 
  2. ×あると〇あれば〇あったら〇あるなら 
  3. ×いいと〇よければ〇よかったら〇いいなら 
  4. ×行くと×行けば×行ったら〇行くんだったら〇行くなら 
  5. 〇押すと〇押せば〇押したら×押すなら 


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