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👇みんなの日本語中級10課の文法解説です。
(1)・・・はずだ
[導入]
(行列のレストランの写真を見せて)
教師:人がたくさん並んでいます。このレストランの料理はどう思いますか。
学生:おいしいです。
教師:そうですね。絶対おいしいと思います。
あのレストランは人がたくさん並んでいるから、おいしいはずです。
教師:○○さんがいませんね。でも、○○さんは真面目だから、絶対に来ます。
○○さんは来るはずです。
絶対に休まないと思います。
○○さんは休まないはずです。
教師:○○先生の好きな色がわかりますか。
学生:青だと思います。いつも青い服を着ています。青いペンで書きます。
教師:○○先生は絶対に青が好きだと思います。
○○先生はいつも青い服を着ているから、青が好きなはずです。
あのレストランは人がたくさん並んでいるから、おいしいはずです。
○○さんは来るはずです。
○○さんは休まないはずです。
○○先生はいつも青い服を着ているから、青が好きなはずです。
[意味]
計算、知識、論理にもとづいて話し手が強く確信していることを表す。
[接続]
普通形 + はずだ
なA な + はずだ
N の + はずだ
[例文]
- あの店は人がたくさん並んでいるから、おいしいはずです。
- 今、日本は冬ですから、寒いはずです。
- 12月は雪が降るはずです。
- 山田さんは指輪をしているから、結婚しているはずです。
- 彼は病気で仕事を辞めたから、生活は大変だったはずです。
- A:さっき駅で山田さんを見ましたよ。B:本当ですか。旅行で北海道へ行ったはずなんですが。
(2)・・・はずが/はない
[導入]
(不真面目そうな学生のイラスト見せて)
教師:この男の子はいつも宿題をしないので、先生に叱られます。
全然勉強しません。ゲームばかりします。
明日試験です。合格すると思いますか。
学生:しないと思います。
教師:そうですね。絶対合格しないと思います。
この学生は試験に合格するはずがない。
この学生は試験に落ちないはずがない。
教師:今日の日本のサッカーの試合勝つと思いますか。
学生:勝つはずがありません。相手は去年のワールドカップで優勝しましたから。
この学生は試験に合格するはずがない。
この学生は試験に落ちないはずがない。
勝つはずがありません。相手は去年のワールドカップで優勝しましたから。
[意味]
「・・・はずだ」の否定形で、根拠にもとづいて強く否定する。
[接続]
普通形 + はずが/はない
なA な + はずが/はない
N の + はずが/はない
[補足説明]
ほとんどの場合、「はずがない」は「はずはない」と置き換えられる。
[例文]
- 彼は全然勉強していないから、試験に合格するはずがない。
- 真面目に頑張っている彼女があんなことをするはずがない。
- ランキング1位だから、この映画はおもしろくないはずがない。
- こんなに大雨が降っているのに、野球の試合が行われるはずはない。
- A:トムさんが会社を辞めるそうですよ。B:そんなはずはありません。彼はこの仕事が好きだと言っていましたよ。
(3)・・・はずだった
[導入]
教師:2021年に東京で何があったか覚えていますか。
学生:オリンピックがありました。
教師:そうですね。でも、本当の予定は2020年でした。でもコロナで延期になりました。
2020年に東京オリンピックが行われるはずだったんですけど、コロナで延期になりました。
それで、2021年のオリンピック、見に行こうと思って、チケットを買いました。
でも、仕事が忙しくて行けませんでした。
オリンピックを見に行くはずだったんですけど、忙しくて行けませんでした。
2020年に東京オリンピックが行われるはずだったんですけど、コロナで延期になりました。
オリンピックを見に行くはずだったんですけど、忙しくて行けませんでした。
[意味]
「・・・はずだ」の過去の形で、思っていたことと異なる結果になった場合に使う。
[接続]
普通形 + はずだった
なA な + はずだった
N の + はずだった
[補足説明]
「はずだった」の後ろに「~が/けど/のに」などが来ることが多い。
[例文]
- 2020年東京でオリンピックが行われるはずだったけど、コロナで延期になった。
- 会社を辞めるはずだったけど、上司に止められた。
- 今年の冬にハワイへ旅行に行くはずだったのに、病気で行けなくなってしまった。
- 社長は9時に到着されるはずでしたが、台風で飛行機が遅れているそうです。
- 彼は大学に進学するはずだったが、家庭の事情で就職することになった。
・・・ことが/もある
[導入]
教師:みなさんはお酒をよく飲みますか。
学生:はい、飲みます。/いいえ、飲みません。
教師:私はあまり飲みません。ストレスがあるとき、飲みます。ときどきです。
お酒はあまり飲まないが、ストレスがあるときは飲むことがあります。
教師:みなさんは料理ができますか。
学生:はい、できます。/いいえ、できません。
教師:私はできるので、よく自分で作ります。でもときどき疲れて、作りません。
料理は自分で作るけど、たまに疲れて作らないこともあります。
だいたい家で食べますが、たまに松屋で食べることもあるし、大戸屋で食べることもあります。
お酒はあまり飲まないが、ストレスがあるときは飲むことがあります。
料理は自分で作るけど、たまに疲れて作らないこともあります。
だいたい家で食べますが、たまに松屋で食べることもあるし、大戸屋で食べることもあります。
[意味]
ときどき~をする、ときどき~が起こるという意味。
[接続]
V辞書形 + ことがある/もある
ない形 + ことがある/もある
いA + ことがある/もある
なA な + ことがある/もある
N の + ことがある/もある
[補足説明]
- 「ことがある」と「こともある」はほとんどの場合、同じ意味で使う。
- 「ときどき~する」を並列で言うときは、「こともある」を使う。
例)いつも家でご飯を食べるけど、たまに吉野家で食べることもあるし、マクドナルドで食べることもある。
[例文]
- 酒はあまり飲まないが、ストレスがあるときは飲むことがある。
- 料理は自分で作るけど、たまに疲れて作らないことがある。
- 毎週クラスがありますが、たまに休みのことがある。
- この町のバスはだいたい時間通りに来るけど、遅れることもある。
- このレストランは平日いつも忙しいですが、雨が降ると暇なこともある。
- ボーナスは毎年だいたい同じだけど、売り上げがいいときは多いこともある。
~た結果/~の結果、・・・
[導入]
教師:みんなで旅行に行きましょう。どこがいいですか。
学生:北海道、沖縄、京都、福岡、大阪、鎌倉・・・
教師:近い所がいいですね。
学生:じゃ鎌倉にしましょう。
教師:みんなで相談した結果、鎌倉へ行くことにしました。
(就職人気ランキングを見せて)
教師:これは何のランキングかわかりますか。
日本の会社がアンケート調査をしました。どの会社で働きたいかというアンケートです。
一番人気の会社は○○です。
アンケート調査の結果、一番働きたい会社は○○ということがわかりました。
みんなで相談した結果、鎌倉へ行くことにしました。
アンケート調査の結果、一番働きたい会社は○○ということがわかりました。
[意味]
「何かをした結果、~」という意味。
[接続]
Vた形 + 結果
N の + 結果
[補足説明]
結果なので、後件の文末は「~た」で終わる。
[例文]
- みんなで相談した結果、卒業旅行は北海道へ行くことにしました。
- 遅刻した結果、試験に参加できなかった。
- ダイエットを頑張った結果、体重が5キロ減った。
- 投票の結果、山田さんがリーダーに選ばれた。
- 抽選の結果、テレビが当たった。
- アンケート調査の結果、将来なりたい職業の1位は会社員だということがわかった。
(1)~出す(複合動詞)
[導入]
(フラッシュモブの動画を見せて)
急にみんなが踊り出した。
みんなが歌い出して、びっくりした。
[意味]
物事が急に始まることを表す。
[接続]
ます形 + 出す
[補足説明]
主語が無生物である場合や人間の生理現象を表す場合によく使う。
[例文]
- みんなが踊り出してびっくりした。
- この国は急に雨が降り出して、大変です。
- 父はお酒を飲むと、急に怒り出す。
- デート中に彼女が泣き出して、困りました。
- 人形が動き出して、みんなを驚かせた。
(2)~始める/~終わる/~続ける(複合動詞)
[導入]
私の趣味はマンガを読むことです。最近、新しいマンガを読みます。始めました。
最近、新しいマンガを読み始めました。
私はこの学校で3年働いています。2021年からです。
2021年、この学校で働き始めました。
(分厚い本を用意して)
3か月前に本を読み始めました。
やっと本を読み終わりました。
(少しだけ飲み物が入っているペットボトルを用意して)
もう少しで終わります。
もう少しで飲み終わります。
(物価が上がっているグラフを見せて)
物価が上がっています。3年前も2年前も去年も今も上がっています。これからも続くと思います。
物価が上がり続けると思います。
このパソコンはずっと使っています。5年使っています。
このパソコンを5年使い続けています。
最近、新しいマンガを読み始めました。
2021年、この学校で働き始めました。
やっと本を読み終わりました。
もう少しで飲み終わります。
物価が上がり続けています。
このパソコンを5年使い続けています。
[意味]
Vが始まること、終わること、続けるとこを表す。
[接続]
ます形 + 始める/終わる/続ける
[補足説明]
「~始める」は「~」の開始が予測できるのに対して、「~出す」は予測していないことが急に起きた場合に使う。
- そろそろミルクの時間だ。赤ちゃんが泣き始めた。(理由が予想できる)
- 急に赤ちゃんが泣き出した。どうしたんだろう。(理由がわからない)
[例文]
- 最近、新しいマンガを読み始めました。
- 自分から話すようにしてから、友達ができ始めた。
- もう少しで食べ終わるから、ちょっと待って。
- 半年かけて、やっと論文を書き終わった。
- 3年前から、日本語を習い続けています。
- このパソコンは5年ぐらい使い続けています。
(3)~忘れる/~合う/~換える(複合動詞)
[導入]
この前、旅行に行きました。靴下を忘れました。
靴下をかばんに入れるのを忘れました。
靴下をかばんに入れ忘れました。
いつも旅行のとき、お土産を買いますが、このときは買うのを忘れました。
お土産を買い忘れました。
教師:学生Aさんと学生Bさんは会社の同僚です。
Aさんは仕事が忙しいです。Bさんはどうしますか。助けますか。助けませんか。
学生:はい、助けます。
教師:Bさんは忙しいです。Aさんは助けますか。助けませんか。
学生:助けます。
教師:仕事が大変なときは助け合います。
教師:みなさんは、困ったとき誰かに相談しますか。
私は困ったとき、友達に相談します。その友達も私に相談します。
困ったときは友達と相談し合います。
教師:私のスマホはすぐに充電がなくなります。ですから、来週スマホの店でバッテリーを換えます。
スマホのバッテリーを取り換えます。
教師:最近、風邪を引く人が多いです。教室の空気が悪いかもしれないので、窓を開けましょう。
窓を開けて空気を入れ換えます。
靴下をかばんに入れ忘れました。
お土産を買い忘れました。
仕事が大変なときは助け合います。
困ったときは友達と相談し合います。
スマホのバッテリーを取り換えます。
窓を開けて空気を入れ換えます。
[意味]
- 「V忘れる」は「Vすることを忘れる」という意味
- 「V合う」は「お互いにVする」という意味
- 「V換える」は「Vして換える」という意味
[接続]
ます形 + 忘れる/合う/換える
[補足説明]
<使われる表現>
- 「~合う」・・・助け合う、言い合う、見せ合う、誘い合う、話し合う、取り合う、送り合う、殴り合う
- 「~換える」・・・取り換える、買い換える、乗り換える、入れ換える
[例文]
- 作るとき、塩を入れ忘れました。
- 言い忘れていましたが、来週の会議は3時に変わりました。
- 仕事が大変なときは同僚と助け合います。
- 学生たちはテストの結果を見せ合っている。
- リモコンの電池を取り換えます。
- 冷蔵庫の調子が悪かったので、新しいのに買い換えました。
読む・書く「記憶型と注意型」
[QAで内容確認]
(1段落目)
- Q人が生活している時によくどんなことをしていますか・・失敗
- Q具体的にどんな失敗ですか・・財布を忘れたり、間違い電話をかけたり、酒を飲んで家を間違えたり
- Q交通事故が起きる原因のほとんどは何ですか・・運転手のミス
- Q運転手のミスとはどんなものだと思いますか・・ケータイを見る、寝てしまう、など
- Q病院ではどんな失敗をしましたか・・手術をする患者を間違えた
(2段落目)
- Q心理学者のリーズンはどんな研究をしましたか・・学生たちが日常生活でおかすうっかりミスについて研究した
- Qどんな結果が出ましたか・・記憶型と注意型の2つの型があることを発見した
(3段落目)
- Q奇数番号はどんな型ですか・・記憶型
- Q丸が4つ以上で・・ぼんやり
- Q丸が6つ以上で・・かなりぼんやり
- Q失敗しないように何をすればいいですか・・いつもメモを取る、チェックリストを見ながら仕事をする、思い出すてがかりになるものを準備するなど
(4段落目)
- Q偶数番号はどんな型ですか・・注意型
- Q丸が3つ以上で・・慌て者
- Q丸が5つ以上で・・かなり慌て者
- Q失敗しないように何をすればいいですか・・仕事を始める前に一度深く呼吸する、指を指して確認してから、操作するなど
(5段落目)
- Qどちらにも丸が多い場合は・・ぼんやりした慌てもの
【中級レベル以上】おすすめの文法の本
①教師と学習者のための日本語文型辞典
こちらの本は3000項目以上の文型や表現形式を豊富な例文を用いて、丁寧に解説してあります。
中級以降の日本語学習者にはもちろん、日本語教師の授業準備にも重宝されています。
②中級日本語文法と教え方のポイント
文法項目の意味や使い方だけでなく、その文法が「どのような場面で使われるか」にも重点を置いて解説されています。
また、その文法項目が「どんな語とよく組み合わされるのか」や、類似表現との違いについても詳しく説明されているので、学生の疑問に上手く答えたいという先生にとっては非常に役に立つ1冊です。